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畳床の豆知識【寿命や値段、種類など】

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畳床は「たたみどこ」と読みます。
畳の芯に当たる部分で畳の機能や性能を左右するとても大切な物です。
古くから稲藁を圧縮した物が使われてきました。
「稲藁の再利用も兼ねて使われ始めた」とも言われています。

ところが、最近は藁をコンバインで細かくしてしまう農家さんが多く、畳床に適した藁を手に入れる事が難しくなりました。
その為に、藁を使った畳床の製造業者さんも減少し、最近では藁を使わない畳床が使われる事が増えてきました。

ただ、畳を歩いた時の適度な弾力性は藁を圧縮した事によって生まれる特有の感覚です。
その為に、藁を使った畳床が減っていくのは時代の流れとは言え、とても残念な気がします。

畳床の作り方

1枚の藁床には約30,000本の藁が必要だと言われています。
縦横にし、数段を重ね、圧縮します。
圧縮された藁床は31㎏~40㎏になる言いますから、かなりの力で圧縮されるのが容易に想像できますね。

ちなみに藁床には5段重ねる物と3段重ねる物があり、5段に比べると3段は密度が薄くなり、耐久性に差が出ます。
値段はやはり5段の方が高価になり、3段だと2割ほど安くなると言われています。

また、使用される藁の違いによっても品質が変わります。
稲の生育が良い年の物は品質が良く、気温が高いなど、稲の発育が良くない時の藁はやはり良い出来ではなくなります。

畳床の種類

本来の畳は稲藁を圧縮し作られた畳床を使った物です。
ただ、藁床を使った畳にもデメリットがあり、最近は藁床を使わない畳床も使われるようになっています。
ここでは、畳床の種類とそのメリット、デメリットについてご紹介します。

畳床の種類

藁床
昔ながらの稲藁が使われている畳床
スタイロ床
藁でスタイロフォームを挟んだ畳床
畳ボード
木質の材料を使って作られた「畳ボード」と呼ばれる素材を数層重ねて作られた畳床
ポリスチレンフォーム
畳ボードに「ポリスチレンフォーム(発砲樹脂系素材)を重ねた畳床
備長炭入り畳床
藁の畳床は優れた調湿性や断熱性を持つ反面、湿気に弱いと言う短所があります。
その短所を補うのが備長炭入りの畳床です。
備長炭を挟む事で、湿度を上手く調整し、さらに有害物質の吸着や脱臭効果も期待できます。
ただし、少し特殊な為に効果なのがデメリットです。

それぞれの畳床のメリットとデメリット一覧

藁床 スタイロ床 畳ボード ポリスチレンフォーム
寿命 ~50年 20年程度 15~20年 20年程度
メリット 耐久性に優れている 断熱性に優れている 品質が均一 安い
調湿性に優れている 保温性に優れている 軽い 軽い
断熱性に優れている 防湿性に優れている 再生資源が使われている ダニなどの害虫が発生しにく
保湿性に優れている ダニが発生しにい ダニなどの害虫が発生しにく 湿度に強い
心地良い弾力 軽い 断熱性が優れている 断熱性が優れている
デメリット ダニやカビが発生しやすい 吸湿性が劣る 藁床より耐久性が低い 吸湿性が劣る
重い 藁床より耐久性が低い 調湿性が劣る 藁床より耐久性が低い
職人によって品質が違う 燃やすとダイオキシンが出る 吸音性が劣る 燃やすとダイオキシンが出る
湿気に弱い 化学物質過敏症の要因になりうる 衝撃吸収性が劣る 踏んだ感触が硬い
高価 安っぽい リサイクルしにくい

畳床の値段は?

それぞれの種類にも品質の違いがあり、価格はピンキリですが、一般的な相場は下記程度です。

藁床:6,000円~15,000円
スタイロ床:4,000円~10,000円
畳ボード:5,000円~9,000円
ポリスチレンフォーム:4,000円~7,000円

畳床の選び方

畳を新しくする時にはどうしても、ゴザの部分である畳表が特に気になる物ですが、実は畳でもっとも大切なのが芯の部分である畳床です。
畳床にはいくつかの種類があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
価格だけではなく、ご自宅の環境、状況に合わせて、選ぶ事が大切です。

環境で選ぶ

まず、大切な事は環境に合わせた物を選ぶ事です。
最近のマンションは気密性が高く、床の湿度が高くなる傾向があります。
その為に、ご家庭によっては藁床ではカビが発生する可能性が高くなります。
その場合は藁床以外の湿気に強い物を選ぶ方が良いでしょう。
逆にそのような心配がない場合は、選択肢が広がり、自由に選ぶ事が出来ます。
いずれにしても、品質の高い物を選んでも、上手く使えないのであれば、勿体ないです。
まずは環境、状況を考慮して、検討しましょう。

品質で選ぶ

どの種類の畳床を選ぶにしてもメリット、デメリットは基本的に品質に関係しています。
品質が高ければ、それだけ、メリットが大きくなります。
例えば、最高品質の藁床を使えば、調湿性や断熱性、空気の浄化など、様々なメリットが期待できます。
そのメリットを求めるのであれば、品質の高い物が必要です。
また、畳の大きな魅力である香りや触り心地、歩いた時の適度な弾力なども同様です。

逆にそのようなメリットを求めなければ、品質の高い物は必要なくなります。
畳床にどんなメリットを求めるのか?
それが品質を選ぶ基準になるでしょう。

種類で選ぶ

品質にもよりますが、一般的には藁床のほうが耐久性は高いと言われています。
一概には言えませんが、藁床は上手く使えば30年~50年。
それに対し、それ以外は15年程度です。
藁床は藁をしっかりと圧縮されて作られているので、少々の事ではへたりません。
ところが、ポリスチレンフォーム等の場合、復元力がないので、傷むと交換するしかありません。
ただし、耐久性以外にもそれぞれ、メリット、デメリットがありますので、求めるメリットで種類を選ぶと良いでしょう。

価格で選ぶ

先ほどもお話ししたように、品質はメリット、デメリットとリンクし、また、価格ともリンクしています。
品質が高ければ、メリットが大きいですが、価格は高くなります。
限られた予算の中で選ぶにはメリット、デメリットのバランスをとる事が大切になります。
となれば、「これだけは譲れない」と言うポイントを絞って選ぶのが良いでしょう。
「安ければ安いほど良い」と言う選び方は危険です。
畳は基本的には耐久性の高い物です。
賢く選び、長期間使える事が出来れば、結局は安く済む事になります。

畳床のトラブル

最後に畳床に関わる起こりがちなトラブルについてご紹介します。
参考にしてみてください。

畳業者とのトラブル

「畳床が発泡スチロールで出来ているので畳表替えが出来ない」と言われる

確かにポリスチレンフォームの畳床は寿命が短いですが、それでも、1度や2度の畳表替えは問題ありません。

トラブルの解消するには?

悪徳業者は利益率が高い畳の新調を無理に進めて来る悪徳業者をいますので、必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。

・畳表替えを依頼したら畳床がすり替えられていた

案外多いのが持ち帰って作業した際に安価な畳床にすり替えられていたというケースです。
悪徳業者が作業のしやすさから行う不正です。

トラブルを解消するには?

畳を引き取ってもらう時に出来るだけ画像に収めておくと良いです。
畳の裏側、畳床の写真を撮っておけば、後々のトラブルを避ける事が出来ます。

畳床にカビが発生する

藁床のトラブルで多いのがカビの発生です。
畳表だけのカビなら、畳表を交換すれば、トラブルは解消しますが、畳床にカビが発生している場合は畳床から交換するのがお勧めです。

畳床のカビの見つけ方

・畳を踏んで浮き沈みがある
・踏み心地が嫌に柔らかい
・かび臭い異臭がする

トラブルを解消するには?

・畳を上げ、コンクリート面を綺麗に掃除し、防湿シートを敷き詰める
・フローリングの部屋よりも換気を抑止、こまめに掃除機をかける

ダニが発生する

藁床はダニが発生する可能性があります。

トラブルを解消するには?

畳を熱乾燥したり、畳床を新しく交換する事でダニを駆除します。
ただし、環境に問題あれば、畳を新しくしても再度ダニが発生する可能性があります。
そのような状況を防ぐためには原因を改善してから畳を交換します。
まずは畳を上げて隅々まで清潔にしダニの駆除薬を使います。
またこまめに掃除を心がけ、部屋の換気に注意します。

まとめ

いかがでしたか?
畳床は畳の芯となるとても重要な部分です。
最近は様々な畳床が工夫され、それぞれに一長一短があります。
最適な畳床を選ぶ参考にしてみてください。

畳床は消耗品ですが、上手く使えば、10年以上使える物です。
賢く選び、丁寧に使って、長期間畳の魅力を楽しめると良いですね。

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