畳は畳表、畳床、畳縁から作られています。
畳表はイ草で作られていますが、この表面のゴザ部分が最も傷みやすく、定期的にメンテナンスが必要です。
畳のメンテナンスには裏返し、表替え、新調の三つの方法があります。
使用頻度や年月によって、この3つの方法を上手く活用すると良いです。
ここでは畳の張替え時期についてご紹介したいと思います。
畳のメンテナンス方法
先ほどお話したように畳には裏返し、表替え、新調の三つの方法があります。
まず、この3つの方法の違いについてご紹介します。
畳の裏返し
これは畳表を裏返す方法です。
畳は畳床と呼ばれる芯の部分の表面に畳表と呼ばれるイ草を編み込んだゴザで覆って作られています。
ゴザの表面は日々の生活でだんだんと痛み始めます。
ところが、裏面は綺麗なままです。
その為に、この畳表を裏返し、張り直すと裏面は新品のようにきれいな状態で使う事が出来ます。
このメンテナンスを「畳の裏返し」と言います。
時々、畳自体を裏返す事と勘違いしている方がいますが、畳の裏面は使えないので注意しましょう。
畳の表替え
「畳の裏返し」は畳表を裏返す事で新品のような状態を取り戻すメンテナンスでした。
ただ、この方法が使えるのは1度だけです。
当たり前の事ですが、一度裏返し、表裏両方を使ってしまうと、どちらも傷んだ状態になります。
この時には、畳の芯である畳床はそのまま使い、表面の畳表、畳縁だけを新しくします。
このメンテナンスを「畳の表替え」と言います。
畳の新調
畳はフローリングなどと違い、適度な弾力性、吸湿性、保温性、断熱性など優れた機能を備えています。
ところが、当然の事ですが、使っていると畳床も年月とともにだんだん傷んできます。
痛みが激しくなると、畳がたわんだような弾力のない状態になります。
またダニや害虫が繁殖してしまう事も少なくありません。
このような状態になると「畳の新調」の時期です。
新調とは文字通り、全ての畳を新しく替えてしまう事を言います。
それぞれのメンテナンス時期やメリットとデメリットは?
裏返し | 表替え | 新調 | |
---|---|---|---|
年数 | 2~3年後 | 4~5年後 | 10~15年くらい |
畳の状態 | ・日焼け等で色褪せてきた | ・イ草がささくれてきた | ・畳表が波打ってきた |
・イ草がささくれてきた | ・たばこ等で畳表が傷ついた | ・畳同士の隙間が空いてきた | |
・コーヒーなどのシミが出来た | ・カビやダニが発生してしまった | ||
メリット | ・費用が安い | ・イ草の香りが楽しめる | ・全てが新品になる |
・新品のような見た目になる | ・新品のような見た目になる | ||
・ささくれがなくなる | ・ささくれがなくなる | ||
・新調するよりリーズナブル | |||
デメリット | ・踏み心地は変わらない | ・踏み心地は変わらない | ・それなりの費用が必要 |
・畳表の状態によっては出来ない事がある | ・畳表の状態によっては出来ない事がある |
畳の張替えに適した季節は?
あまり知られていませんが、実は俳句では「畳替」は冬の季語になっています。
これは江戸時代は年末に畳替えをする人が多かった事が理由です。
「新年を新しい畳で迎えたい」と言う方がたくさんおられたのでしょう。
さらに、それだけではなく、この季節は雨が少なく職人さんが作業しやすかった事も関係していると思われます。
また、乾燥している事も好都合でした。
ただ、現代の畳の張替えは職人さんが持ち帰り、屋根のある作業場で行いますので、天候はあまり関係がなくなりました。
その為に、年末に限らず、年中通して、いつ畳を張り替えても、特に問題はありません。
畳の張替えの予約を取りにくい時期は?
現代の畳屋さんの忙しい時期はお盆前と正月前です。
お盆前に増えるのは、カビを気にする方が梅雨が明けるの待って発注するからです。
また、年末に増えるのは江戸時代も今も変わりませんね。
いずれにしても、この二つの時期は予約が取りにくく、価格も高くなる可能性がありますから、避けた方が良いかもしれません。
まとめ
畳は定期的にメンテナンスが必要です。
畳の傷み具合だけではなく、カビやダニなどが発生してしまった場合などは畳だけではなく、家全体のトラブルになる可能性もあります。
張替え時期は痛みの状態によって多少の違いはありますが、使用状況に応じて、必要と思われる時期で張り替えるようにしましょう。
また、日本人にとって畳は「癒し効果も非常に大きい」と言われます。
畳の魅力を最大限に活かす為にも、適切な時期に必要なメンテナンスをするようにしまよう。
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