畳表は畳の表面、ゴザの部分です。
直接肌に触れる部分なので、触り心地も大きく変わります。
また、見た目の美しさは部屋の雰囲気を左右します。
選び方のポイントを抑えて、より良い物を選びたい物ですね。
ここではプロがお勧めする、畳選びの注意点についてご紹介したいと思います。
畳表の品質をチェック
一見同じように見える畳表もしっかりとチェックするとその違いが見えてきます。
プロが違いを見極めるポイントは3つです。
経糸の素材
畳表は平行に張られた糸にイ草を交互に編み合わせていきます。
この時、使われる糸を経糸と言います。
経糸にも素材のランクがあります。
ほとんどの場合、麻、または綿の糸が使われます。
経糸に麻糸が使われているほうが耐久性に優れ、より多くのイ草を織り込むことが出来ます。
その為に麻糸が使われている物のほうがより品質が高く、国産の畳表などに使われます。
綿の経糸はイ草をたくさん織り込むことが出来ず、見た目も荒く見えます。
高級品に使われる事はなく、中級品までの経糸です。
イ草の長さ
イ草は長くて綺麗な物が良質とされています。
一枚の畳には約4,000~7,000本のイ草が使われますが、品質の高い畳表ほどイ草の本数が多く、細かく織り込まれています。
また、イ草は長さによって等級が決められており、それぞれ、機能、耐久性が変わります。
イ草の長さ | 一畳分の重さ | おすすめ | |
---|---|---|---|
一番草(特級品) | 140㎝以上 | 2.6㎏以上 | 最高品質、品質にこだわる方 |
二番草、三番草(上級品) | 130㎝~120㎝ | 2.2㎏以上 | 仏間、客間、良い物を長く使いたい方 |
三番草、四番草(中級品) | 120㎝~110㎝ | 1.8㎏以上 | 居間、子供部屋、定期的に張り替えたい方 |
五番草(並級品) | 97㎝以上 | 1.5㎏以上 | アパート、上敷用 |
ご覧のように畳は高級品であるほど、重量が重くなります。
これは一本のイ草の長さが長くなり、より細かく多くの本数を綺麗に織り込む事が出来るからです。
イ草の産地
日本では現在、石川県、岡山県、高知県、広島県、福岡県、熊本県が主な産地となっています。
それに中国産の物が加わります。
畳表はそれぞれの産地によって個性を持っています。
畳には長い伝統があり、それぞれの地域が持つ独自の栽培技術、加工技術が存在するからです。
石川県
寒い地方で作られた石川産には独特の光沢があり、耐久性が強く、丈夫なのが特徴です。
強い暖房にも負けません。
岡山県
若干太めのイ草はムラがなく均一の仕上がりが特徴です。
日焼けのムラも起きにくく、広島と並び伝統的な高級品が多いです。
ただ、生産量は少なく、希少な畳表です。
広島県
青みがかった銀白色でとても美しい光沢を持っています。
表皮も厚く、織目も細かく揃っています。
耐久性にも優れているので、変色しにくく最高級品として評価が高い畳表です。
高知県
イ草の長さが長く、強いので良質のイ草と定評があります。
関西にも出荷されていますが、生産量は少ないです。
福岡県
柔らかく、少し太めのイ草です。
最高級の熊本産にも負けない品質を持っています。
下物は普及品として様々な商業施設などにも使われています。
熊本県
日本屈指の畳の産地です。
国産の80%のシェアを誇ります。
その品質はとても高く、県内で染土を統一し、着色料の使用を禁止しています。
美しく、耐久性にも優れ、普及品から最高級品まで品ぞろえも豊富です。
中国産
国産に比べると色、耐久性など品質に劣ります。
ただ、近年段々と品質が高まり、国産に近い物も出来つつあります。
イ草以外の畳表
最近はイ草以外に和紙や樹脂を利用した畳表も作られています。
イ草の持つ調湿性や空気に浄化作用、清々しい香りなどは期待できませんが、変色しにくく、掃除がしやすいなどのメリットがあります。
まとめ
いかがですか?
一見同じように見える畳表ですが、実は産地や作る工程など、しっかりとチェックすると細かい違いが見えてきます。
日本の伝統とも言えますので、その技術はやはりかなり奥が深い物です。
もちろん、品質が高くなれば、その分、お値段も高くなりますが予算と相談し、より良い物を選びたい物ですね。
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